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一次設計・二次設計とは?構造設計の視点に中心で解説

構想ビルのイメージ

構造設計の一次設計・二次設計について

構造設計における安全性を確保する考え方として、通常、二段階に分けて対策をします。

①発生頻度の高い中小規模の災害(地震・風・雪など)に対して損傷が生じない事。
※地震の場合は震度5強以下


②稀な大規模な災害(地震・風・雪など)に対して、建築物が倒壊・崩壊しない事。
※地震の場合は震度7以上


①の場合は、建物を損傷をしないように設計をするに対して、②は建物が損害して使用不可なっても良いが、倒壊・崩壊しない事(最悪、人命を守る)を前提に設計する事が求められます。

この①の設計を考えるのが一次設計、②の設計を考えるのが二次設計になります。

建物の大きさや構造によって進め方が変わり、比較的建物の規模が小さいルート1(高さ20m以下の鉄筋コンクリート(RC造)や13m以下の木造の建物など)は、二次設計までは考慮しなくて良いとされています。

一次設計で行う事

一次設計では、許容応力度設計法という考え方を基に設計が行われます。

許容応力度設計法とは、建物にかかる力が各部材の許容応力度(その部材が耐えることのできる最大の力)の範囲内であれば損傷しないという理論に基づいています。

具体的には、建物の全体構造や各部材にかかる荷重を計算し、それが許容応力度を超えないように設計します。

この段階では、建物が日常的な環境や発生頻度の高い中小規模の災害(震度5強以下の地震、通常の風、雪など)に対して損傷を受けないことが目標となります。

また、一次設計では建物の使用目的や建設地の条件を考慮し、適切な材料の選定や構造形式の選定も行われます。

二次設計で行う事

図面イメージ 二次設計は、より高い建物や特殊な構造を持つ建物が対象となります。具体的には、高さ31m以下の全ての建物(ルート2)および高さ31m以上の建物(ルート3)が対象となります。

二次設計の目的は、稀に発生する大規模な災害(震度7以上の地震、強風、豪雪など)に対して建物が倒壊・崩壊しないようにすることです。

このため、一次設計とは異なるアプローチが必要となります。低層の建物に対しては、強度型の設計が行われ、建物が高い強度を持つように設計されます。

一方で、高層建築物に対しては、靭性型(ジンセイガタ)の設計が求められます。靭性型の設計とは、建物が変形を許容し、エネルギーを吸収することで、倒壊や崩壊を防ぐ設計手法です。

これにより、建物の最悪の状況下でも人命を守ることが可能となります。二次設計では、建物の詳細な解析やシミュレーションが行われ、設計の妥当性が確認されます。

また、耐震性能を向上させるための補強材やダンパーの設置なども検討されます。

まとめ

一次設計と二次設計は、建築物の構造設計において重要な役割を果たします。一次設計では、発生頻度の高い中小規模の災害に対して建物が損傷しないように設計され、許容応力度設計法に基づいて行われます。

一方、二次設計では、稀な大規模災害に対して建物が倒壊・崩壊しないように設計され、建物の高さや規模に応じたアプローチが取られます。これにより、建築物の安全性と機能性が総合的に確保され、人命の安全を守ることが可能となります。

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久嶋 泰宏
㈱久輝建築工房一級建築士事務所
代表取締役
久嶋 泰宏


株式会社久輝建築工房一級建築士事務所 代表取締役。2015年10月創業以来、「構造設計業務」のあるべき姿を追求し「信頼」「堅実」「技術」の3つの スローガンに掲げ、常に時代と社会を見据えた革新と研鑽を続けている。